大学中退から司法試験合格、そして独立  #1

大学中退から司法試験合格、そして独立 #1

氏名:新井 優樹さん

1991年3月生まれ。静岡県藤枝市出身。東京理科大学を中退後、明治大学法学部に進学。慶應義塾大学大学院法務研究科を修了後、弁護士となる。弁護士になってから1年2ヶ月という短期間で銀座で20代で独立開業。「勉強が苦手」「人前に出るのも苦手」「営業ももちろん苦手」・・・そんな中で、どうやって20代で独立するまでに至ったのか、弁護士を目指したところからその物語は始まる。

  • 本インタビューは、全体で3本の記事で構成されています。
  • #1は、「弁護士を目指してから~弁護士になるまでのお話」となります。
  • #2はこちら、#3はこちらでご覧ください。
目次

弁護士を目指した理由

インタビュアー「どうして弁護士になろうと思ったんでしょうか?」

新井さん「実は、弁護士になろうと思った理由は特にないんですよね笑。私には4つ上の姉がいて、私が中学3年生の時に、都内の大学に通っていたので、東京に遊びにいくついでに、早稲田大学のオープンキャンパスに行ったんです。オープンキャンパスでは公開授業が実施されていて、「死刑の是非」かなにかをテーマにして、賛成派と反対派が討論してました。内容は一切覚えてないのですが、お互いの意見を言い合っている姿を見て、「法学部生ってカッコいい!!!」って感動して、「もう自分は早稲田の法学部を目指すんだ」と早々に決めたことはよく覚えてます笑。単純に法学部生がカッコよく見えていて、それになりたいって想いが強かったという感じです。ついでに、「法学部=弁護士」と勝手に決めつけていたので、他が見えなくなっていたというのもあります笑」

インタビュアー「その法学部生たちの議論の姿のインパクトが強かったんですね笑 その後、高校に進学されて大学受験をされたと思いますが、大学受験は志望校に合格できたのでしょうか。」

新井さん「現役の時には、早稲田大学を含め、一般受検したところ全部落ちまして、高校に勧められて出願していた東京理科大学の経営学部にセンター利用で合格しただけでした。。。東京理科大学に進学はしましたが、法学部に行きたかったので、仮面浪人をすることにしました。1~2ヶ月くらいは大学の授業に出つつ、受験勉強を自宅でしていたのですが、徐々に大学に行かなくなり、自宅で浪人生活を送るようになりました。翌年満を持して浪人生として再度早稲田大学を受験したものの、現役時代同様、受験した学部全部落ちました笑 奇跡的に明治大学の法学部には合格したので、東京理科大学を中退して明治大学の法学部に進学することになりました。」

インタビュアー「弁護士になったきっかけになった早稲田大学には行けなかったんですね。明治大学に進学してからは、どのような学生生活を過ごしてたんですか。」

新井さん「2年連続で早稲田大学に落ちたことで「人生終わった」と本気で思っていたので、テンション低めな大学生活でしたね・・・笑 サークルも新入生歓迎会には行きましたが、なんか雰囲気合わなくて結局入りませんでした。大学1年生の秋ごろに大学院を受験するために資格予備校のLECというところに通い始めました。大学時代は、LECに通って、家庭教師のバイトして、ふわっと遊んでって感じでしたね。医事法の授業が好きだったので、毎回ちゃんと出席して、おすすめされた海外ドラマとか見てたら大学生活終わってました笑」

インタビュアー「大学受験を失敗したコンプレックスの影響は大きかったんですね。大学院に進学されてからは、勉強一色の生活でしたか」

新井さん「私が進学した大学院は、法科大学院(ロースクール)というもので、基本的には大学院を修了した後には司法試験を受験する人たちが大半を占める状態でした。授業も毎日あって、ソクラテスメソッドという双方向コミュニケーション授業形式だったので、予習しないと授業中に回答出来ず恥ずかしい思いをすることになります。入学して半年はめっちゃ勉強したのですが、びっくりするほど壊滅的な成績だったので、「勉強に集中するのやめよ・・・」ってなりました。大学院入ってからは、勉強に集中するためにしばらくバイトはお休みしてたのですが、秋ごろから再度バイトを始めることになりました。バイトでは、個別指導塾で小学生~高校生に勉強を教えてました。学校の補習的な要素が強い塾で教えていたので、子どもたちと話す時間も多くてめちゃめちゃ楽しい時期でした。バイトがメインになり始めたので、ロースクールの予習はほぼやらなくなりました。「ロースクールは卒業さえすればok。司法試験に受かれば何の問題もない!」と言い聞かせて勉強はさぼるようになりました笑 そんな感じで、司法試験の2か月前くらいまでバイトにいそしんでました。司法試験受からなかったら教育業界にいこーって思ってました。そんなわけで、途中から出席回数もやや危ない状態になっていたので、大学生の時に比べると勉強しなくなってしまいました。」

インタビュアー「最初でつまづいてしまったんですね。よくそんなにバイトしていて司法試験受かりましたね笑」

新井さん「よく言われるのですが、法科大学院の授業をしっかりこなす能力と司法試験に合格する能力は必ずしも一致するわけではないんですよね。法科大学院の授業はすこしアカデミックな性質が強いので、勉強が苦手なタイプには結構厳しかったです。司法試験も試験の問題自体は難しいのですが、「試験に合格する」ということだけに集中すると学問的に難しいところは理解してなくてもどうにかなっちゃいます。私は完全に試験に合格するための勉強をしてたタイプなので、なんとかなった感じです笑」

インタビュアー「なるほど・・・学校の授業と試験勉強は別なんだなと思いました笑 ちなみに、司法試験に合格するとすぐに弁護士として働くという感じでしょうか」

新井さん「なかなか伝わりにくいかもしれないです笑 いえ、合格すると1年間「司法修習生」という立場で研修をすることになります。その研修が終わり、最後に卒業試験のようなものを受けて合格すると弁護士として働けるようになります。」

インタビュアー「研修の最後にもまた試験なんですね。。。試験試験試験って感じですね。今回は、新井さんが弁護士を目指してから弁護士になるまでのお話をお伺いしました。次回は、実際に弁護士として働き始めてからのお話を伺いたいと思います。」

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